2007年5月12日土曜日

ウクライナIMとのレッスンについて(2)

さて、以前書いたとおり私のほうからは「ルークエンディングを教えてほしい」とお願いしていたわけですが、とりあえず初回なので一般的なエンドゲーム知識のおさらいをしようという話になりました。

そこでびっくりしたのが、K+B+B vs K や、K+B+N vs Kのメイトをやってみてほしい、といわれたこと。両方ともうろ覚えで、なんとかメイトにすることは出来るのですがとても最短手順ではありません。それまでは、「とりあえず50手以内にメイトにすればいいじゃないか」と思っていたのですが、Artiomさんはとても丁寧にメイトの方法を教えてくれました。

こういった基本的なところからビショップエンディングやナイトエンディングにも話が飛び、あっという間に1時間が過ぎてしまいました。「ルークエンディングもいいけど、とりあえず今回はポーンエンディングの宿題を出しておくから、どれだけ解けたかあとで教えてよ」と言われ、第一回目のレッスンが終了しました。

内容としては本当にすこしですが、それでもArtiomさんのチェスに関する考え方は十分理解できました。とにかくなんでも「徹底的」なのです。「ぼんやり、なんとなくわかっています」ではダメで、それでは結局応用が利かない。何も考えなくても、手が勝手に動いて正解手を指すくらいでないと、本当の意味でマスターしたことにはならないという発想です。

ちなみに一方で、こちらも非常に名高いコーチであるアメリカのJeremy Silmanは、私が先にこのブログで紹介した"Jeremy Silman's Endgame Course"で、「私はB+K+N vs Kのポジションは扱うつもりはない。実戦で一生に一度遭遇するかどうかというポジションを勉強するのは時間の無駄だ」と主張し、さらに「K+B+B vs Kのポジションも、めったにでないので考え方さえだいたいわかっていれば十分」と述べています [Silman 2007, pp188]。

この辺に、アメリカと旧ソ連各国のチェスに対する考え方の違いが出ているようで、非常に面白いです。私はと言えば断然ソ連派(笑)で、もともとレーティングを上げたいとか、大会で優勝したいというモチベーションでレッスンを取っているわけではないので、たとえ今回の内容が直接実戦に生かされなくても、十分満足です。

次回レッスンは19日(土)ですが、やはり今から待ち遠しいです。

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