2007年5月23日水曜日

レッスン その2

2回目のレッスンは前回の宿題の答えあわせから始まりました。なんとか全問正解していたようで、ほっと一息です。その後は、ポーンエンディングの基礎でも教えてくれるのかと思いきや、予想は完全に裏切られました。

Artiomさんが出してきた問題は、実際のポーンエンドゲームで、「これで白は勝てる(または引き分けに出来る)と思いますか?」というもの。それに対して私が自分の考えた答えと理由をいった後、私が白を、彼が黒を持って指し継ぐというものです。

今回出てきたポジションはCohn - Rubinsteinなど、歴史上有名なものばかりだったのでそれほど答えを出すのに時間はかかりませんでしたが、IM相手にこういった練習が出来るのはかなり贅沢です。

このあたりにも、基本と応用を結び付けようとする考え方を実感することが出来ました。そしてまた宿題をもらったのですが、今回は本当に難しい!かなり時間がかかりそうです・・・

2007年5月15日火曜日

宿題をいくつか公開

ウクライナのIMからもらった宿題のうち、いくつかを公開します(チェスのポジションそのものに著作権は発生しませんので大丈夫でしょう)。解答はご連絡できませんのでチェスエンジンなどをつかって確認してください。

なお、これらの問題はウクライナではレート2000前後の人用だ、ということですが、カパブランカの言うとおりエンドゲームはほかの分野の知識がなくても勉強できますので、興味がある方は誰でもチャレンジできると思います。いくつかのポジションは非常に有名です。





2007年5月12日土曜日

ウクライナIMとのレッスンについて(2)

さて、以前書いたとおり私のほうからは「ルークエンディングを教えてほしい」とお願いしていたわけですが、とりあえず初回なので一般的なエンドゲーム知識のおさらいをしようという話になりました。

そこでびっくりしたのが、K+B+B vs K や、K+B+N vs Kのメイトをやってみてほしい、といわれたこと。両方ともうろ覚えで、なんとかメイトにすることは出来るのですがとても最短手順ではありません。それまでは、「とりあえず50手以内にメイトにすればいいじゃないか」と思っていたのですが、Artiomさんはとても丁寧にメイトの方法を教えてくれました。

こういった基本的なところからビショップエンディングやナイトエンディングにも話が飛び、あっという間に1時間が過ぎてしまいました。「ルークエンディングもいいけど、とりあえず今回はポーンエンディングの宿題を出しておくから、どれだけ解けたかあとで教えてよ」と言われ、第一回目のレッスンが終了しました。

内容としては本当にすこしですが、それでもArtiomさんのチェスに関する考え方は十分理解できました。とにかくなんでも「徹底的」なのです。「ぼんやり、なんとなくわかっています」ではダメで、それでは結局応用が利かない。何も考えなくても、手が勝手に動いて正解手を指すくらいでないと、本当の意味でマスターしたことにはならないという発想です。

ちなみに一方で、こちらも非常に名高いコーチであるアメリカのJeremy Silmanは、私が先にこのブログで紹介した"Jeremy Silman's Endgame Course"で、「私はB+K+N vs Kのポジションは扱うつもりはない。実戦で一生に一度遭遇するかどうかというポジションを勉強するのは時間の無駄だ」と主張し、さらに「K+B+B vs Kのポジションも、めったにでないので考え方さえだいたいわかっていれば十分」と述べています [Silman 2007, pp188]。

この辺に、アメリカと旧ソ連各国のチェスに対する考え方の違いが出ているようで、非常に面白いです。私はと言えば断然ソ連派(笑)で、もともとレーティングを上げたいとか、大会で優勝したいというモチベーションでレッスンを取っているわけではないので、たとえ今回の内容が直接実戦に生かされなくても、十分満足です。

次回レッスンは19日(土)ですが、やはり今から待ち遠しいです。

ウクライナIMとのレッスンについて(1)

前回の投稿で予告したとおり、ウクライナのIMにレッスンを受けてみました。

その前に、レッスンを受講した背景についてちょっと書くと、もともと私は個人レッスンについてかなり否定的な意見を持っていました。せっかくお金を払って、本に書いてあるのと同じことを教わるのではつまりませんし、そうかといってゲームを実際にマスターとやって「筋がいいぞ!その調子だ!」とお世辞を言われても、はたしてチェスの理解が深まることにつながるのかどうか、かなり疑問だと思ったからです。

しかし一方で、これまで数え切れないほどのマスターを生んできた「ソビエトチェス」のコーチ理論については興味がありました。ネット上のレッスンでその全てを学べるとはとても思いませんが、一端を覗けるなら、と考えたのがレッスン受講のきっかけです。

先生役のArtiom Tsepotanさん(何と発音するのでしょうか・・・)は、ウクライナ出身で、経歴を見ているとかなり早く(10代なかば)IMになっています。しかしその後なにか転機があったのか、トーナメントプレイヤーとしてのキャリアはそれ以上追求せず、大学に入って教育学を学び、レッスンプロになったということです。10年近くそれで生活しているわけですから、立派なベテランといえます。

旧ソ連出身で、チェスが強く、しかもレッスンの専門家である、と3拍子そろっているところが今回の受講の決め手になりました。

2007年5月7日月曜日

初レッスン

ちょっと違う話題ですが、ICCでIMからチェスを教えてもらうことになりました。

http://www.chessclub.com/activities/finger.php?handle=artiom

とりあえず1レッスン受講しようと思っています。

「他は何もいらないから、ルークエンディングを教えてくれ」とお願いしています。

レッスンは今週土曜日で、今から楽しみです。

結果は、このブログにもフィードバックしようと思っています。

おすすめの本 その1 














本ブログ第一弾は、エンドゲームおすすめの本として、私が読んでみていいな、と思った本をご紹介します。

最初に、Jeremy Silmanの "Silman's Complete Endgame Course"。この本のユニークなところは、よくあるように「ポーンエンディング」、「ナイトエンディング」、「ルークエンディング」とエンドゲームのパターン別に解説するのではなく、実力別に章をわけ、「ビギナー~レート1000以下の人向けの章」「レート1000~1200向けの人の章」というような構成にしていることです。

そして、たとえばビギナーの章ではK+Q対Kでチェックメイト、レート1000~1200の章では基本的なオポジションの解説など、それぞれの実力の人が覚えるべき内容を解説しています。これにより、「ポーンエンディングの途中でいやになって投げ出しました」ということもなく、エンドゲームの知識をアップさせていくことができます。そして最後の「マスター(レート2200以上)向け」の章ではこれまでの知識を総動員して複雑なエンドゲームの分析をする展開になっており、かなりの達成感が味わえます。

個人的に、内容にまったく不満がないわけではありませんが、これを読みきれば基本的な知識は一通り身につくと思います。価格も本の分厚さの割には安いですし、買って損はないかと思います。

このブログの目的について

はじめまして。

このブログですが、チェスのエンドゲームについて解説、考察することを目的としてこれから書いていきたいと思います。

エンドゲームはおそらくもっとも人気のない分野で、 出ている本の数もオープニング、ミドルゲーム、棋譜集等にくらべ大変少なくなっています。

しかし、エンドゲームはおもしろいんです!このブログは単に技術面だけでなく、そういったエンドゲームのおもしろさをお伝えできる内容になればよいと思います。

なるべく定期的にアップデートするようにしますので、是非これからもお立ち寄りください。